新田義貞

 

新田 次郎 新潮社 1978年4月

 

2012年12月3日足利尊氏や楠木正成はよく主人公として書かれますが、そのライバルである新田義貞はあまり取り上げらることがないので知りたいな〜と思ってたら、この本に出会うことができました。新田次郎氏の本は読んだことなかったのでどうなんかな〜とか思いながら読みはじめましたがなかなか読みやすかったです。所々現地取材レポートを入れているところが良かった。戦に行った人の名前から死んだ人の名前まで書いてありよく調べているな〜と感じました。新田氏によると太平記も梅松論も物語(フィクション)であり所々創作があるとのこと。この本を読むことで、これまで義貞に抱いていた愚将というイメージを覆すことができました。後醍醐天皇を取り巻く吉田定房、坊門某などのあほな側近がいなければ、また足利尊氏とのスタート時点での基盤(幕府における地位や各国の領地)の違いがなければ、尊氏との戦いもどうなったかわかりませんね。越前制覇を目前にした突然の戦死はほんとうにもったいない。いつか義貞の戦った福井や鎌倉に行ってみたいです。

覇王の家

 

2002 新潮社 司馬 遼太郎

 

2012年8月10日やっぱり司馬作品はいいですね。読みやすいから早く終わってしまう。最後のほうははしょってましたけどね。秀吉に降るあたりから、北条征伐、秀吉天下統一、朝鮮出兵、秀吉の死、関ヶ原の戦い、大阪の陣。一番面白いところがすっとばしてありました。それでも家康の性格についてよくわかりました。信長や秀吉のような天才と違ってごく普通の人間だった。天下を統一しようなんて、これっぽっちも考えていなかった。自分の土地を守ることだけを考えていた。確かに家康の若いころは強い大名達に囲まれて同盟関係を維持しながらしのいでいくしかなかった。信長との同盟は特に大きな意味を持ってたと思う。用意周到な家康でもやってのけた大きな冒険といえば武田信玄が上洛する際に負けると分かっていても望んだ戦い、そして秀吉の大軍と戦った小牧長久手の戦いこの2つは大きな財産になったと思う。当時の最強と言われた実力者達に小国の主が不利ながら戦いを挑んだという実績は譜代から外様まで多くの人をひきつけるアピールポイントになったのではないか。最後死ぬ間際に息子の秀忠に幕府存続のポイントを伝えたらしいのだが、もっと具体的にしりたかった。地方の領主に対する牽制の方法とか、後継者の決め方とか、近臣が良からぬことを企んでたときにどうするかとか。名君ばかりでなく、あほな将軍も出たのにどうやって200年も続くシステムを作ったのか。その辺が知りたいですね。

十一番目の志士

 

1974 文芸春秋 司馬 遼太郎

 

2012年6月19日久々に面白い作品にであえました。時代背景、幕府とそれに対する薩摩、長州、新撰組、高杉晋作、桂小五郎、坂本竜馬、西郷隆盛などの関連性が整理できて楽しめる作品ですね。架空の人物が主人公であることをわかって読みました。司馬さんにしては珍しいですよね。

 

話は変わりますが、私が昔好きだったアニメ「るろうに剣心」の緋村剣心はこのものがたりの主人公、天堂晋助をモデルにしてるのでは…と思います。天堂は宮本武蔵を祖とする二天一流の使い手の人切り、緋村は秘天御剣流の使い手の人切り。どちらも高杉晋作に認めらて奇兵隊に入り、桂小五郎に引き抜かれて京都 で暗殺活動を行う。

 

願わくは、るろうに剣心の和月先生に緋村剣心を主人公として十一番目の志士をマンガ化してほしいです。まあ無理だろうな〜残酷なシーンやお色気シーン多いから18禁ですね。

破軍の星

 

1993 集英社 北方 謙三

 

2012年4月2日北畠顕家の鬼神の如き強さ、朝廷の家臣そして安家家から託された陸奥独立国建設への夢の間に挟まれる葛藤は面白かったです。

 

でも、ここまで武王の門、悪党の裔、道誉なりを読んで来たので、おきまりの山の民が出てくるところ、中央政権とは独立した国家をつくろうとするところは、ちょっと飽きがきてしまいました。まあ読む順番のせいですね。

 

 

小説 立花宗茂

 

2001 学陽書房 童門 冬二

 

2012年2月16日間違いなく我が福岡県が誇れる武将ですね。
こういう人いてくれて鼻が高いです。
君主を大友、豊臣、徳川と変えることを余儀なくされながらも、「義」を貫く姿勢は立派です。彼をとりまく臣下達もいいですね。

 

いつか立花山、柳川に行って歴史探訪したいですね。

 

この前、買ったPS3の戦国無双3Zには奥さんのぎん千代とともに出演してました。

 

「鎮西の風吹かせてみせよう・・・」

義経

 

2004 文芸春秋 司馬 遼太郎

 

2012年2月11日今年から大河ドラマが平清盛ということもあり、近い時代の小説を読みたいと思い、読んでみました。それにしても、これが主人公かと思うくらいひどい書かれようでした。義経を端的に表した言葉「戦略的天才、政治的痴呆者」この痴呆者と言う言葉は作中、何度も何度も出てきます。これまで義経については好人物であるという評価の本、テレビしか見てこなかったので、この本を読んでからは義経に対するイメージが180度変わることは間違いないと思います。頼朝の考える新しい政治のありかたを最後まで理解できなかった、けれども兄に認められようと戦功たてようとする義経は何だか可哀想になってきます。この作中の人物で嫌いな人はたくさん出てきますが、とくに後白河法皇、新宮十郎行家、梶原景時はひどいですね。あと余談としては、弁慶との出会いが何とも腑に落ちないとこ、一の谷の戦いで平敦盛と熊谷直実の一騎討ちが出てこない こと、屋島で那須与一が出てこない、頼朝に追われてから京を落ち奥州で最後を閉じるまでがはしょりすぎなど不満が残りました。

夏草の賦

 

2005 文藝春秋 司馬 遼太郎

 

2011年11月9日戦国時代四国を制した長宗我部元親の話です。最近、太平記関連ばかり読んでいたので久々に戦国時代ものでした。この珍しい名字の武将について、また幕末に活躍した土佐藩の郷士のもととなった一両具足について知りたいと思っていましたが、やっとその機会を得ました。
土佐の1土豪にすぎなかった元親が、1代にして四国を切り従えるという面白い話でした。元親は明智光秀の親族を正妻にしていたのは初めて知りました。奈々という美人の人だったようです。
司馬氏はこの作品を通して人間の情熱ということをテーマにしたそうです。こういう1文がありました。
「男とは夢や希望があるうちが花なのかもしれない」
これは元親が秀吉による四国征討軍にやぶれて、軍門に降ったときに、つぶやいた1ことです。
今の自分にも思い当たる節があり確かにそうかなと思ってしまいました。
結局長宗我部家は元親死後(長男を九州征伐で早くに亡くしてしまうという不幸がありましたが)、その息子の代にお家断絶になり耐えてしまいました。元親を含め、その家臣に秀吉以降の権力者や先を読む力が足りなかったのかな〜思いました。

道誉なり

 

1999 中央公論新社 北方 謙三

 

2011年7月8日やっと読み終わりました。内容は足利尊氏が六波羅探題を倒したあたりから足利尊氏が病気で死ぬあたりまででした。佐々木道誉と尊氏のかけひきにスポットをあてた形でした。これくらいの長さのほうがテンポよくて良かったのかな。個人的には2人の鎌倉時代とか、尊氏亡き後の義詮や義満を支える道誉も読んでみたかった。吉川栄治とは書き方が全然違うので楽しめました。道誉のこがいの部下達は実在の人物なんだろうか?赤松円心の悪党の裔の時もそうだったが、この辺は史実とフィクションの区別がつきにくい。今度高速使って、滋賀県の柏原に行ってみよう。

悪党の裔

 

1995 中央公論社 北方 謙三

 

2011年5月27日北方南北朝シリーズ、武王の門に引き続き読んでみました
播磨の悪党、赤松円心の話です。最近まで兵庫に住んでいたので、本に出てくる地名と場所が分かり想像しながら楽しめました。白旗城は登頂してきました。かなりしんどかったですが冷や汗物語は足利尊氏が湊川の戦いに勝ち、円心が領地をもらうというとこで終わりますが、確かもう少し活躍するはずですよね。円心は京都で亡くなりお墓は京都にあると聞いたことがあります。一度行ってみようかな。次は足利尊氏を支えた佐々木道誉の道誉なりを読んでみます

武王の門

 

1993 新潮社 北方 謙三

 

2011年5月14日初めて北方南北朝シリーズ読みました。

 

さすがハードボイルド作家だけあって、吉川英治や司馬遼太郎とは書き方が違いました。

 

後醍醐天皇の子、征西将軍の宮懐良親王の話です。そして、菊池武光。九州が舞台となるところに惹かれました。

 

この本の存在はmixi九州歴史の会というコミュニティで知りました。

 

佐賀県出身北方さん応援しています。

 

足利好きの私は、次は「悪党の裔(赤松円心)」、「道誉なり(佐々木道誉)」を読んでみようかな。